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Hidden Europe

編集者兼ライターで、旅行好きのNicky Gardnerさん。あまりよく知られていない場所を旅してヨーロッパの隠れスポットを発見するのが好きで、この大陸の魅力を伝えることをキャリアのテーマにしています。

ヨーロッパの歴史に残る5つの隠れスポットを発見しましょう

ヨーロッパは歴史と文化の宝庫です。ここでは、人並み外れた冒険をする人々を待ち受けているものと、私の個人的なお気に入りの5か所をご紹介します。 

ジュラ地方, スイスとフランス 

アルプスは有名ですが、ジュラ地方はご存知ですか?この大きな弧を描く丘陵地帯では、緑の景観、壮大な渓谷、ヨーロッパ屈指のハイキングや釣りを楽しめます。ヨーロッパで最も魅力的な地域の多くがそうであるように、この地域も辺境にまたがり、大きな歴史を湛えています。私はジュラのスイス側を好み、それは単に公共交通機関の接続がフランスのジュラよりも優れているからですが、ジュラでの滞在を良いものにするには断然、列車、自転車、または徒歩でのフランスへの国境を越えた旅行がおススメです。 

ジュラにはいくつかのサプライズがあります。18世紀、ジュラ地方はヨーロッパの時計製造の主要な拠点として発展しました。丘陵地帯の農民にとって、星占いは当初、夏の農作業を補うために行う冬の活動でした。しかし、彼らはすぐに時計がお金になることに気づきました。スイスの時計メーカーがヨーロッパのアナキズムと社会主義の議論に貢献するなど、スイスのジュラは政治意識の活発な拠点として台頭したのです。ラ・ショー・ド・フォンにある国際時計博物館は見逃せません。フランスのジュラに足を伸ばせば、ワイン好きにはたまらないお楽しみが待っています。何十年もかけて熟成させる淡い黄色がかったこの地方のワイン、ヴァン・ジョーヌをお試しください。 

カルパチア国境地帯、ポーランドとスロバキア 

ポーランドの南東端が国境を越えてスロバキアの北東に広がる地域は、中央ヨーロッパの丘陵地帯を歩くのに最もお気に入りの地域のひとつです。木の美しさを物語る素晴らしい木造の教会や村がある文化的景観です。カルパチア地方全体にとって、木は単なる建材以上の価値があります。木が価値観と伝統を守り、コミュニティをその地の景観へと溶け込ませてきました。 

カルパチアの生活の豊かで多様な文化的構造は、ユダヤ教とキリスト教の伝統を反映した地域の歴史に根ざしています。木造教会の多くは正教会であり、ローマ・カトリック教会もあれば、ギリシャ・カトリックまたは東方教会の伝統の信奉者によって使用されている教会もあります。私はこの地方を何日も歩き回りましたが、山頂のトレイルでは他の人に出会うことはめったにありませんでした。しかし、ポーランド側であれスロバキア側であれ、丘の谷間に下りていけば、きちんとした宿泊施設と美味しくて健康的な食事を提供するシンプルなホテルがある村で休むことができます。もっと良い時代が来れば、冒険好きの旅行者は東のウクライナのカルパチア地方に足を伸ばすかもしれません。 

アルザス, フランス 

ライン渓谷に近くて、しかも別世界が広がっています!フランスの好きな地域を挙げろと言われたら、アルザスと答えるでしょう。しかし、ここはひねりの効いたフランスです。ヴォージュ山脈には木材や織物、銀採掘の遺産があり、丘の東側にはフランス有数のブドウ畑が広がっています。きら星のような有名レストランの集まりが、豊かな食の伝統を築いてます。 

それだけではなくアルザスは心にもエネルギーを満たしてくれます。アルザスは、常に思想を大切にしてきました。宗教と民主主義に関する議論はアルザスの精神の一部です。アーミッシュは、新世界に移動する前に、アルザスの丘陵地帯の人里離れた谷に避難しました。人文主義的な考え方、博愛主義の強い伝統、活字への早い段階からの関心、これらすべてがアルザスの形成に貢献しました。世界で初めて印刷された新聞は、1605年にストラスブールで発行されました。それから4世紀後、ストラスブールでは欧州議会が開かれ、ヨーロッパの自由と民主主義の精神を肯定する上で、アルザスの役割が先頭に立っています。アルザスのリースリングやゲヴュルツトラミネールのグラスを片手に、美しい景観と強い歴史的伝統が融合したこの地を訪れてみてはいかがでしょうか。 

ボヘミアと中欧の伝統的なスパ(中欧) 

ボヘミアの有名な温泉の三角地帯は、何世紀にもわたってヨーロッパの旅行や観光の見本を形成してきた古くからの健康の伝統をヨーロッパで最もよく表しています。重要な3つの中心地はFrantiškovy Lázně, Mariánské LázněKarlovy Varyす。.これらの地は他とはかなり異なるので、時間が許せば、上記の順番で訪れることをお勧めします。 

健康であれ、お金であれ、パートナーのためであれ、ヨーロッパの裕福な人々はボヘミアやバーデン・バーデンなどの温泉地に向かいました。私はこれらの町が大好きです。それぞれ独自の天才的な場所に位置しています。ボヘミアには、ソ連式の中央計画と現代資本主義の鋭いエッジの柔らかなベールで覆われた過去の威容を偲ばせるものがあります。これらの地域は、歴史と現在が完全に調和しておらず、ヨーロッパの他の地域よりも少し濃密な雰囲気が漂っています。年を重ねた時の楽しみは、あちこちの温泉地をぶらぶらと歩き、それぞれの雰囲気にじっくり浸ることです。その後、ボヘミアの温泉街を堪能したら、トリエステに向かいます。 

トリエステとその内陸地域, イタリアとスロベニア 

ヨーロッパで最も好きな都市を挙げろと言われたら、私はトリエステを選びます。イタリアの都市の中で最もイタリアらしくないこの都市は、アドリア海のまさに先端にある細い指のような平坦な土地の上に位置しています。街の背後には丘がそびえ、乾燥した石灰岩の台地が国境を越えてスロベニア近くまで広がっています。 

私はトリエステの現在の姿だけでなく、その驚くべき歴史も大好きです。何十年もの間、トリエステはハプスブルク帝国の主要貿易港でした。そのため、トリエステは、ウィーンの商才と活気に満ちた知的で文化的な生活のアドリア海の前哨基地としての特別な地位を獲得しました。作家、芸術家、詩人にとって、トリエステはウィーン社交界のサロンの延長であり、まさに海辺のウィーンだったのです。 

理想的なトリエステの1日は、かつてJames JoyceItalo Svetoが友人たちと語り合ったまさにそのテーブルに座って、カフェ巡りをすることです。本屋がたくさんあります。郊外へ行くときは、フェリーでムッジャスロベニア国境まで行き、そこからハイキングします。または、海岸沿いの船でシスティアーナまで行き、そこから崖の上の小道を歩いてドゥイーノまで行き、詩人Rainer Maria Rilkeにインスピレーションを与えた散歩道を散策します。