ヨーロッパ各地に残るケルト人の歴史と遺産を紐解く
神秘的なケルト人の歴史には抗えない魅力があるのか、古代遺跡を訪れたり、遺物に隠された意味を探ろうとする人も少なくありません。アイルランドやスコットランドに残る修道士の植民地跡や羨道墳(せんどうふん)からは、聖なる伝説の一端を窺い知ることができるでしょう。それ以外にもヨーロッパ各地に、ケルト人の足跡が残っており、これらを訪ねる旅もまた魅力に満ちています。

まず、ドイツに残るヨーロッパ・ケルト人ルートを訪れ、2,500年前のケルト人がどのような生活をおくっていたのか見てみましょう。ここでは、記念碑の見学やケルトの神々をかたどった彫刻をカメラに収めるだけでなく、眺めの良い小道をハイキングやサイクリングで辿ることもできます。そして、ウェーデラートにある考古学公園ベルギヌムを訪れ、多くの出土品や財宝が発掘されたケルト・ローマ居住地を見学してみましょう。
次に、ケルト人がスペインに遺した謎多き遺産を見てみましょう。スペイン北西部にある遺跡では、ガリシアでのケルト人の生活の謎を解くカギが見つかるかもしれません。ガリシアは緑豊かで、スコットランドのハイランドと同じく深い霧に包まれた土地です。ここには、他にも好奇心をそそるものが数限りなくあります。

アイルランドやスコットランド北部にはローマの支配が及ばなかったため、ケルト民族の影響が今も色濃く残っており、遺跡や物語、歌などを通して、その豊かな伝統に触れることができます。ケリー州(アイルランド南部)のディングルにある古代ケルト考古学博物館では、ケルト人が使った道具や武器等の出土品を目の前に古代ケルト文化へと思いをはせることができるでしょう。ドーセット州(イングランド)のメイデン城には、鉄器時代まで遡る本物のケルトの土塁があります。
ケルト人の遺産はたいへん興味深く、今もヨーロッパ中に息づいています。次のヨーロッパ旅行では、古代ヨーロッパ人の文化の秘密を解き明かしてみてはいかがでしょうか。