ヨーロッパ建築の魅力
ヨーロッパの都市には多種多様な建築が林立しています。様式の異なる建物が隣接していることも多く、それがまた都市全体を魅力的なものにしています。例えば、数百年の歴史を持ち圧倒的な存在感を放つ役所の隣にスマートでモダンな美術館や図書館が建っていたりと、誰でもカメラを向けたくなる街並みがヨーロッパの魅力です。サンマリノの古城やリトアニアの大聖堂など、ヨーロッパの有名な建築家が設計した建築物は、旅行者にさまざまなインスピレーションを与えるでしょう。
スカンジナビアには世界屈指の現代建築がいくつもあり、中でもデンマークの首都コペンハーゲンの建物が有名です。ランゲリニエ海岸沿いに建つ王立劇場では、海を眺めるカフェでコーヒーやカクテルを楽しんだり、3カ所からなる上演スペースで世界レベルの演劇を鑑賞することができます。
当時ヨーロッパ中で流行したロマネスク建築は、教会や宗教関連の建造物に多く用いられています。スペインや中央ヨーロッパの大聖堂と修道院、またフランスにある優美な古城などで、ロマネスク建築の建物を数多く目にすることができます。ガイドツアーが催行されているので、楽しみながら学ぶこともできるでしょう。スペインでは、巡礼路をたどりながら観光客の少ない小さな田舎町で教会を見つけたり、ガリシアにあるサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂などの有名なロマネスク教会に足を運ぶのもお勧めです。

ベルギーの首都ブリュッセルは、アールヌーヴォー(ドイツでは「ユーゲント・シュティール」と呼ばれた)建築様式の中心地です。角を丸くしたデザインや美しい曲線が特徴的なこの建築様式は、ブリュッセルの至る所で見られます。さまざまなウォーキング・ツアーに参加してみたり、アールヌーヴォー建築創始者の一人であるヴィクトール・オルタの美術館を訪問してみるのも良いでしょう。
ヨーロッパ南東部にある旧共産主義の国々では、都市開発や建築様式についても全体主義が用いられていました。スロバキアのブラチスラバにある巨大な自由広場はその良い例でしょう。政治的影響が強い全体主義建築は、権力者を明確に想起させる力強く堂々とした設計が特徴的です。最近はこうした建築を巡るツアーも人気があり、世界中のデザイン愛好家がインスピレーションを得ようと集まっています。