スペインからトルコまで地中海料理を楽しむ
海外旅行の醍醐味のひとつに、その土地の料理を味わうことがありますが、ヨーロッパの中でも地中海に面した国の料理は最高です。今回は、スペインを始めに、トルコまでの沿岸地域の名物料理をご紹介します。
スペインの国民食とも言われるパエリアは、海岸沿いの街、バレンシアが発祥地です。パエリアとは、文字通り「鍋」を意味します。これは、パエリアの中の米やその他の材料を調理するための大きくて浅い鍋のことです。様々な種類がありますが、伝統的なバレンシアのパエリアは、白米、インゲン豆、肉(通常は鶏かウサギ)、カタツムリ、白豆、調味料が入っています。また、地中海で獲れる美味しい新鮮な魚介類を使ったシーフードパエリアもよく食べられています。
イベリア半島では、ポルトガル料理を味わうことができるまたとない機会です。コジード・ア・ポルトゥゲーザは、ポルトガルの伝統的なシチューで、地域や旬の食材に応じてさまざまな肉やソーセージ、野菜が使われています
フランスのマルセイユに行くと、ブイヤベースのメニューに出会うことでしょう。ブイヤベースはプロヴァンス地方の伝統的な魚のシチューで、漁師たちが市場で売れない骨付きの魚を食べるために考案したものです。現在のブイヤベースには、さまざまな魚が使われており、貝類やタコ、ウニなどが入っていることもあります。魚介類は、野菜やプロヴァンス地方のハーブ、スパイスと一緒に調理され、ルイユ(スパイス入りマヨネーズの一種)を添えて提供されます。
さらにイタリアの海岸沿いにはナポリが位置し、パルミジャーナというイタリア料理が名物です。ナポリはピッツァの発祥地としてや、ボリュームのあるパスタ料理で知られていますが、パルミジャーナは地元でも人気の料理です。薄切りにしたナスをフライパンで焼いたり揚げたりして、トマトソースとチーズ(通常はパルメザンチーズやモッツァレラチーズ)を重ねていきます。鶏肉や子牛などの肉が入っているものもあります。
イタリアの中にある小国サンマリノでは、ピアディーナに立ち寄ります。伝統的にはテラコッタの皿の上で焼かれる薄い平たいパンですが、現在では鉄板の上で焼かれるのが一般的です。具材は、野菜やチーズ、コールドカットなどのサンドイッチの具材から、フルーツジャムやヘーゼルナッツスプレッドなどのスイーツの具材まで、お好みに合わせて選ぶことができます。ピアディーナは地域によって若干の違いがあり、ピタに近い厚めのパンや、ラップに近い幅広のパンなどがあります。
イオニア海を越えてギリシャに行くと、パスティツィオという香ばしいパスタ料理があります。筒状のパスタの間に牛や羊のひき肉とトマトを挟み、ベシャメルソース(牛乳ベースのシンプルなソース)をかけて焼いた、ラザニアのような料理です。
地中海をめぐる食の旅の最後を飾るのは、トルコです。トルコ料理の基本はやはりどこにでもあるケバブですが、トルコにはケバブ以外にもたくさんの料理があります。マントゥはいかがでしょうか。餃子料理ですが地域によってさまざまな違いがあります。最も称賛されているのはカイセリ風のマンティシで、小さな餃子の中にウズラや鶏、ガチョウが入っていて、その上にヨーグルトやオイルベースのトマトソースなどがかけられています。