偉大な文芸遺産探訪
ヨーロッパには豊かな文学の伝統があり、図書館には世界中で愛されるヨーロッパの詩や戯曲、小説が溢れています。今でもヨーロッパ中に残る有名な物語の舞台となった場所や、お気に入りの作家が世に残る傑作を書いた場所を訪れてみませんか?
複雑で手のこんだ物語や戯曲で知られている古代ギリシャ文学の中で、当時もっとも人気を博していたのが吟遊詩人のホメーロスです。当時の彼は、有名な叙事詩「イーリアス」「オデュッセイア」を語りながら、ギリシャと現代のトルコにあたる地域を徒歩で旅して回ったとされています。彼の作品は紀元前8世紀の生活がどのようなものだったかという想像を掻き立ててくれることでしょう。
史上最も偉大な劇作家の一人といわれるウィリアム・シェイクスピアが活躍したのは、イギリスのルネサンス末期の時代でした。歴史あるロンドンのグローブ座では、当時のままにシェイクスピアの戯曲が上演されています。シェイクスピアに関連する体験をさらに深めたい場合は、ロンドン郊外にある愛らしい町ストラットフォード・アポン・エイボンで、シェイクスピアの妻だったアン・ハサウェイのコテージや彼の生家を訪れてみるのがお勧めです。
スペインでは、ルネサンス期の小説家ミゲル・デ・セルバンテスの作品「ドン・キホーテ」で登場するルートを辿り、カスティーリャ・ラ・マンチャ州の平原を旅してみてはいかがでしょうか。ドン・キホーテが竜と間違えて戦おうとした、あの象徴的な風車を見ることができます。また、小説家アーネスト・ヘミングウェイもスペイン文化に魅せられた一人で、牛追いで有名なサン・フェルミン祭(スペイン北東部パンプローナ)は彼の作品「日はまた昇る」を通じて世界中に広く知られるようになりました。
おとぎ話が好きな方は、デンマークへ行ってハンス・クリスチャン・アンデルセンの家を訪れてみるとよいでしょう。その他にもコペンハーゲンの人気記念撮影スポットである「人魚姫」の銅像や、アンデルセンが幼少の頃に住んだオーデンセの街を訪ねてみると、アンデルセンの有名な童話を思い出しながら旅行が楽しめます。
文学の歴史においてその知名度は高くないものの、モナコは世界各国から訪れる作家へ多くのインスピレーションを与え続けてきました。グレアム・グリーンの「負けた者がみな貰う」やエリック・ロバート・モースの「モナコ」、ロバート・エリンジャーの「Monaco Cool(モナコ・クール)」など、モナコのビーチをモチーフにいくつかの有名な作品が生まれています。モナコの高級リゾートでワインを飲みながらこうした本を読んでみれば、物語の一部になったような気分が味わえるかもしれません。
このように、ヨーロッパには文学的に有名な場所が多く残っています。訪れたい場所への旅のプランを立てた後は、文豪になった気分でご自身の冒険物語やミステリー、恋愛小説などを書いてみてはいかがでしょうか。